畳替えが必要な理由
そもそも畳替えとは何か
一般的には「畳替え」といえば表替えをさします。ここでは表替え、裏返し、新床などを総じて畳替えと呼ぶことにします。それぞれの内容は以下のとおりです。
1、台になっている心材、「畳床」を残して表面の畳表だけ張り替えるのが「表替え」
2、畳表を両面使うためにひっくり返して縫い直すのが「裏返し」
3、心材が老朽化したために今ある畳を廃棄し新調するのが「新床(しんとこ)」
このほかに畳を別の場所にもって行き、そのままの材料で寸法直しをする「切り回し」などがあります。
意外と我慢してしまう、足元の住環境
お部屋によっても異なりますが、よく使う部屋でおよそ5年を過ぎると摩擦によって表皮がはがれたり、日光によって白くもろくなる現象が起こってきます。色は濃く、茶色になり毛羽立ちが靴下や衣服についたり、掃除のたびに大量のささくれが出るようになります。
畳替えの頻度はお宅にもよりますが、だいたい10年にいっぺんくらいではないかと思います。しかし、毎日目にするものは意外と痛みに気づきにくく、新築以来かまったことがない、嫁に来てから畳替えをしたことがない、など、上敷きを敷いたりして傷んだ畳で我慢されていたというお宅もよくあります。
畳替えの効果
畳替えをする理由は痛んだ部材を新しくすること。でもその効果は結構いろいろあるんです。
まずは床面の色が変化することです。青畳のやさしい緑は実にすかすがしい気持ちになります。また日焼けした畳より明るいため、部屋全体が明るくなったように感じます。縁の柄も変えて気分一新しましょう。
次は畳替えの醍醐味、新しいイグサの香りです。田んぼで刈り取られよく乾燥されたイグサのにおいには森林浴と同じような効果もあるとされています。
そして最後は空気正常効果の回復です。植物素材を使用した畳床や畳表は室内の空気を呼吸し、空気中の有害物質を吸着しています。しかしその効果は年を経ると衰えてきます。畳替えをするとこうした素材が新しくなり、再び室内の空気をきれいにしてくれます。(裏返しでは香りや吸着性の回復は期待できません)
必要に応じて最小限の材料を交換
畳が傷む原因には、摩擦による擦り切れ、日焼け、歩くことでの圧迫、水や湿気による腐食、シロアリなどの食害などいろいろありますが、必要に応じて最小限の部材を交換することで効率的に室内をリフレッシュすることができます。裏返しでは縁だけを交換、表替えでは畳表と縁を交換して、畳床は畳表と縁を交換しながら繰り返しつかいます。通常の住宅で20年から30年は使えます。畳の寿命は家の構造(湿気対策)や部屋の使用頻度によっては長くも短くもなります。畳床もつくる技術が進歩していて、昔のものと今のものでは寿命が変わってきています。
思い立ったら畳替え
畳替えはお正月やお盆、結婚や、法事、親戚が集まる、お客さんをする、など行事にあわせてされる方が多いです。久々の帰郷を青畳で迎えてもらうのはうれしいものです。
何気なく生活していると意識しない足元のこと。ぜひ見つめなおしてください。お宅の畳は元気ですか?
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